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鍼灸学士が解説する
【夜間の食いしばり】

夜間の食いしばり・噛みしめ

上下の歯で強い力で噛みしめるのが、食いしばりです。
また、上と下の歯を嚙みしめたままで、横に滑りギシギシと音がするのが歯ぎしりです。

食いしばりは、歯ぎしりと違って音が鳴らないので他の人から気づかれにくく、自分自身でも気付かないうちに歯を食いしばっているので自覚するのが難しいと言えます。

この歯にかかる力は「体重の2~5倍」ぐらいと言われます。かなりの重量ですよね。
※食べる時にかかる力は10kg程度
自分が思っているよりも相当強い力で食いしばっていることが多く、歯や歯茎を傷める原因になります。
この食いしばりによって、頭痛や首・肩こりなどの症状を引き起こすこともあります。

食いしばりの方に多いお悩み

来院される方の中で多く聞かれた、来院前までのお悩みをみてみましょう

  • 歯にひびが入ったり割れたりする
  • 歯周病の悪化
  • 頭痛、めまい、肩こりを引き起こすことがある
  • 顎関節症を引き起こすことがある
  • 顔の歪みの原因になることがある
  • 歯がしみるなどの知覚過敏を引き起こすことがある
  • 午後3~4時ごろにだるさや眠気、集中力の低下を感じる
  • 寝る前に何か食べないと眠れないことがある
  • 起床時に頭痛や肩こり、疲労感などがある
  • 急に不安感に襲われたり、感情の起伏が激しい

食いしばりの原因

 1 ストレス:身体に対してかかる不安、緊張、疲労などを和らげようとして起こる反応が考えられます。

アロスタシスと言われ外部からのストレスによって身体の環境が崩れないように安定性を維持しようとする反応です。

 

 2 夜間の低血糖症:糖尿病でない健康な人にも起こりえます。
血糖値の数値ではなく、血糖値の
急激な変動が問題です。インスリンが過度に血糖値を下げると寝ている間に低血糖になります。

身体は血糖値を上げようと副腎からアドレナリンやコルチゾールホルモンが分泌されます。それに連なって自律神経の交感神経が優位になります。

その結果、歯ぎしり、食いしばり、噛みしめ、寝汗、こわばり、悪夢
などに見舞われ、睡眠の質が悪くなります。

もうひとつ血糖値維持の役割を果たすのが成長ホルモンです。
成長ホルモンとは他に心身の疲れ、ストレスを解放し
たり、傷んだ組織の修復、代謝の調節(糖、たんぱく質、脂質や骨や水分、電解質の調節)も行なっています。

寝る時間が遅かったり(夜更かし)、寝つきが悪い方は成長ホルモンの出が悪くなり、血糖値を保てなくなって低血糖を起こしやすくなります。

その他に、グリコーゲンの枯渇も急激な血糖値の変動につながります。
グリコーゲンとは肝臓や骨格筋に貯蔵されてる多糖類で、空腹時の血糖値維持
に利用されます。
食事と食事の間が空きすぎている、長時間食事をしていない、プチ断食などでグリコーゲンの枯渇を引き起こします。

食いしばりを改善するためには

夜間の低血糖を起こす人は、日中も血糖値の変動が大きい可能性があります
それだけ糖を処理するインスリンが
過剰に分泌されていて血糖の調節障害が起こっていると考えられます。

対策のカギは食事になります。

下記のような血糖値をなるべく上げない食生活を、まずは2週間目指してみましょう。

成長ホルモンがしっかり働くには、睡眠を日付が変わらない時間にとることです。
夜更かしはご法度だと認識してください。

自分の身体を見つめ直す良い時期だと捉え、これまで頑張ってきた身体を労わり、これまでよりも健康的な身体に変化させる良い機会です。

頑張りすぎない生活スタイルを新たに作り、これから続く長い人生に備えましょう。

 

  • 通常の食事(朝昼晩)の量を減らし、足りない場合は捕食という形で補う
    血糖値の乱高下を抑える
  • 補食は、ナッツ類や小さめのおにぎりにする
    血糖値が上がりにくいものにする
  • 夕食の糖質(ご飯、麺、パンなど)を極力少なくする
  • 野菜やたんぱく質から食べ始め、糖質は一番最後に食べる
    食後すぐに血糖値を上げない工夫をする

食いしばりでお困りなら

院長の大久保陽友です

食いしばりは、歯が欠ける・削れる・むし歯、顎関節症(顎周辺の痛み)などの症状を引き起こすことがあり、放置していると身体に大きな負担を与えるので注意が必要です。

一般的には歯科でのナイトガード(マウスピース)による治療、薬で頬の緊張をほぐすなどの治療になると思います。

薬が効きにくい、薬と別の治療を併用したい、薬を使いたくない方が鍼灸院に来院されています。

鍼灸は、鎮痛効果、神経やホルモンの調整に力を発揮します。薬との併用、薬を使いたくない、生活習慣改善ともに相性が良い治療法です。
当院では必要に応じて食事や栄養指導も可能です。

歯科での治療と併用していただいて構いません。

ご不明な点は、お気軽にメールやLINEからご相談ください。

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